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2種類の創造性 

メンタリストのDaigoさんが「お笑い芸人の人は、(軽度の)統合失調型である」とおっしゃっていました。創造性には2種類あると言われています。そのうちの1つが統合失調型と言われています。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

2種類の創造性

創造性には、科学分野の創造性と、芸術分野の創造性があります。

科学分野の創造性には、統合失調型が関わっているとされ、芸術分野の創造性には気分障害が関わっていると考えられています。

アイスランドの研究者らにより、遺伝的変異から推測された統合失調症や双極性障害の指標によって、疾患リスクや芸術関係の職についているか否かの予測が、ある程度可能だとする論文が発表されました。精神疾患リスクと関連する遺伝的背景が、発病していない場合にも創造性に影響しているようだと結論づけています。論文は9日(日本時間)のNature Neuroscienceに掲載されました。

創造性に関わる認知的脱抑制

通常、脳には自分の課題や生存に関わる情報以外を除外するフィルター機能が備わっています。直接的に関わり無いものに、そこまで意識は向かないようにできています。

しかし、ある種の人は、それらのフィルター機能が弱く、通常であれば除外する情報を受け入れてしまうのです。

このような脳のフィルター機能が弱い事を「認知的脱抑制」と言います

科学の創造性

認知的脱抑制は、コントロールできないと本来その場には関係ない情報が意識上に上がり、幻聴や幻覚が生じる事があります。統合失調症の人がこの症状が出るのも、認知的脱抑制が原因とも言われています。

しかし、これらを知性の高さでコントロールし、大量に入ってきた情報にも圧倒されず並外れたアイデアを生み出せることが科学の創造性の特徴と言われています。

空想や発想に長ける人は、脳フィルター機能が弱く、現実から飛躍した突拍子もない発想ができ、虚構の世界を受け入れられます。既存の情報やアイデアを大量に集めて論理的に分析し、体系立てることも得意です。

しかし環境要因などで許容を超えてしまうと、現実と虚構の区別がつきにくくなり、完全にコントロールを失ったとき、統合失調症、もしくは解離性障害の発症に至ってしまう。

創造性とは、このような危ういバランスの上に成り立っていると言っても過言ではありません。

この常識や先入観にとらわれない物の考え方を、拡散的思考と言います。そして、そのアイデアをまとめ、現実的に落とし込むのが収束的思考です。

創造性は、2つの思考法、あるいは右脳左脳の相互作用をコントロールし繰り返し自由自在に切り替えられるので、複雑な性格になり、創造性を発揮できるのだと考えられます。

芸術の創造性

2000年以上も昔に、ギリシャの偉大な哲学者アリストテレスは芸術家には抑鬱傾向を持っている人が多い、ということを見抜いていました。

現代では、創作活動と気分障害には、深い関係があると多くの研究が証明しています。

一部の作家や作曲家、詩人、画家たちは絶望からひらめきを得たことで知られています

芸術的な人は、常に深い感情作用と連動しており、大きな出来事はもちろん日常の中でさえもが、理想と現実世界のギャップを思い知る強烈な機会になります。

否定感情も含めた、激しい感情や、世界の美しさや儚さを憂う繊細な感情は、感受性の強さに起因しています。

そして、限りなく自由な想像力連想力で結びつけられた感情豊かなアイデアを現実世界に落とし込み表現する事が、芸術的創造性です。

感受性の強い人にとって、この世の残酷な現実に立ち向かうのはひときわ辛く、身をえぐられるような苦痛をともないます。

できることなら現実から目をそらして幸せな夢想にふけりたいのは山々ですが、人生はそれを許してくれません

そんなとき、圧倒的な真実に立ち向かう唯一の方法が芸術だと、あの有名なニーチェは言います。

芸術家の創造性は、どれほど混沌として、無秩序で、ひとかけらの希望さえもなく感じられる闇夜においても、絶望の中から作品を作り出すことによって、人生を有意義なものに変えられるからです。

なお、視覚芸術や監督は、気分障害の影響が見られにくいとも考えられています。

フロイトの防衛機制と昇華

防衛機制とは、フロイトの娘のアンナ・フロイトが父の研究を元に、児童精神分析の研究の中で整理した概念です。

受け入れがたい状況、または潜在的な危険な状況に晒された時に、その不安を軽減しようとする無意識的な心理的メカニズムのことです。

その中で最も成熟した防衛と言われている中の1つが昇華です。

昇華とは、不安や葛藤や、満たす事が出来ない欲求から、別のより高度で社会に認められる目標に目を向け、その実現によって自己実現を図ろうとすることです。

例えば、不安や満たされない欲求を、芸術・スポーツ・学問といった形で表現することを、昇華と言います。

芸術的な創造性は、マイナスな感情を昇華させているのですね。

その他の成熟した防衛についてはこちら

様々な創造性

冒頭で紹介したお笑い芸人の方は、脳構造が科学の創造性に近いのかもしれません。並外れたアイデア、連想能力、発話流暢性は右脳左脳の相互作用あってこそです。

おそらく、政治家の方々もそうだと思います。起業家の方々も、繊細さと大胆さの2面性が必要ですね。

何にせよ、創造性を発揮するには自己コントロールが大切だという事です。

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