行動遺伝学 年齢を重ねると本来の自分自身になっていく

自分がよく分からないと思うことはありますか?そもそも日本人は自分の感情を認知する力が弱いというデータがあります。

行動遺伝学によると、人間は年齢を重ねて様々な環境にさらされるうちに、遺伝的な素質が引き出されて、本来の自分自身になっていく様子が示唆されているそうです。

「自分の才能を生かす道を探し続ける生き方」を可能にするためにも、行動遺伝学者である安藤寿康教授の見解をまとめていきたいと思います。

◆「人生は遺伝が決める」というと、まず頭に浮かぶのは「親の遺伝子次第で子の人生も決まる」という発想です。しかし実際は親の遺伝子と全く同じ形質を持つ子供が生まれるケースは、極めて稀です。

◆単純に遺伝子の効果を足し算するだけでは形質は説明しきれない場合があるという事です。その代表例が有名な「メンデルの法則」です。優勢と劣勢の関係がある場合がこれに当てはまります。

◆人間の個体の「その人らしさ」は12歳ごろから徐々に発現しはじめて、20歳くらいまでの間に確立していくのだといいます。

20代後半や30代にもなれば、ほぼその人らしさは確立しており、よほどのことがない限り激変はしないと考えていいでしょう。現時点である程度時間をかけたにもかかわらず、ものになっていない仕事や趣味などは、遺伝的にできない可能性が高いということです。

◆IQの場合、子どものIQは両親の中間値より平均寄りの値を取る確率が高くなります。例えば、両親ともにIQが120同士だった場合、その子どものIQは120ではなく、もうちょっと低くなる確率が高くなるわけです。同様に、両親のIQが80だったなら子どものIQはそれよりもよくなる確率が高くなり、こうした現象を「平均への回帰」と言います。

◆IQが低く、自制心が弱くて衝動的な人は確率的に犯罪を犯しやすい事がわかっています。

◆学力は遺伝子の影響を60%程度受けることが示されています。40%が環境の影響ということになります。知能の分野では、年齢を重ねるにつれて遺伝の影響が強くなりやすいこともわかっています。意外に思われるかもしれませんが、人生の前半は学校教育による環境の影響が大きいことなどが要因と推測されています。

◆音楽・執筆・数学・スポーツの才能に関しては、遺伝の寄与率が80%を超えています。外国語の才能についてのみ、共有環境の影響が現れています。

◆子供自身がそれぞれの事柄を好きか嫌いか、それにどのくらい時間を費やしているかについては、ほとんど遺伝と非共有環境だけで説明ができてしまい、共有環境として効いていないことが多いという結果でした。

◆遺伝的に突出した才能がある人は、他人が外から気づく前に自分の中で「見えている」のだと思います。

自分にはこれができる、これが好きだ、逆にこれは向いてないからやめておけ。そうした内側から湧き上がってくる感覚というのは、自分が生まれ持っている遺伝をもとに環境が出会ったときに生じるものだと考えています。

◆自分の内なる感覚に導かれて、人は何かに専念し、そこにリソースを集中的に投入することで才能が発現していくのではないでしょうか。

◆子供に好きでもないことを「やり抜く力」を育てるためだといって強制的にさせることは、危険ですらあります。

◆遺伝子分析サービス、現状これらのサービスは「科学的な装いの占い」くらいに捉えるのが賢明だと忠告しています。

◆人間は年齢を重ねて様々な環境にさらされるうちに、遺伝的な素質が引き出されて、本来の自分自身になっていく様子が行動遺伝学からは示唆されます。

◆遺伝子の持つ形質は環境によって発現します。

それがスポーツや芸術などの比較的わかりやすいものならすぐ見つかるかもしれませんが、普通はそう簡単にはいきません。したがって「遺伝的に向いていること」を見つけるためには、とにかく自分の環境を変えて経験や出会いを繰り返し、見つけていくしかないのです。

◆遺伝があるからこそ勉強をしなければならない。知識を学ばなければならない。

平均への回帰というと、フランシス・ゴルトンを思い出します。

人への研究では、様々な分野の天才を調べ、彼らの子はほとんど常に親より平均に近くなることを見出しました。さらに定量的で客観的な方法として、父親と息子の身長を比較し、やはり特別に高身長の父親でも、特別に低身長の父親でも、息子たちの身長は父親たちの身長より平均に近くなることを見出しました。

気になる方は平均への回帰wikiにて

親と同じ形質を持つことは極めて稀とのことですが、私の個人的な見解では、母親と次女の気質、父親と次男の気質が似ている気がします。

今回の記事と関連がありそうな、黒い羊の仮説の記事も良かったらご覧ください。

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