IQ(知能指数)EQ(心の知能指数)の特徴と関連した研究

IQ(知能指数)は何となく知っている方も多いと思いますが、EQ(心の知能指数)は、よく知らない方も多いのではないでしょうか。IQが頭の良さを表す指数であるのに対し、EQは「生きる力」をどれくらい持っているかを表す指数になります。

主な賢さの様態として、これらがあります。

①計算が早い。暗記力・記憶力があるなど

②相手の心を読む。心の理解

IQ、EQに関わってくるのではないでしょうか。

それぞれの特徴と気になったことをまとめてみました。

IQ(知能指数)とは

IQは知的活動の一部を測定し、数値化したものです。

IQの平均値は100であり、85–115の間に約68%の人が収まり、70–130の間に約95%の人が収まるとされています。なお、知能指数(IQ)の高さは必ずしも創造性とは結び付かないとされ、高さと比例するわけでもないそうです。

IQの特徴

変動仮説(男性は女性より分布が広いとする仮説)

2008年に発表された調査では、ヨーロッパ系米国人のグループでは数学のスコアの分布は男性のほうが最上部と最下部へ広く、一方アジア系米国人のグループでは分布の最上部で女性の比率が高いことが発見された。

遺伝の影響

現代の先進工業社会では、知能の遺伝率は子供で50%成人では70%以上を示す研究が多い。成人の方が遺伝率が高いのは、成人は自我が発達しているため子供ほど周囲の影響を受けず、自己の行動をその遺伝的特性に合わせて決定するからだと言われている。

環境の影響

⑴IQは、生活環境によって大きく変わるとされている。ラスキン公共政策大学院の研究者の研究で、2001年から13年間、1000万人のアメリカ人学生に行われた。その結果、気温が高い年の試験結果が悪くなる傾向がみられた。とくに空調の恩恵を受けられない貧困家庭などに大きな影響がみられた。

⑵知能に影響すると言われていたワインや食生活の差、ダイエット、運動といったものは、子供時代の知能で補正するとその影響が消えてしまう。

⑶知能研究においてヘッドスタート(米国の低所得者層の3歳から4歳児に対する就学援助)など子供を始めとする教育プログラムの効果が、参加している間は効果があるものの、参加しなくなると意外に早く薄れていくことはよく知られている。

⑷大きな事件があった場合や、深い悩みがあった場合などはIQが大きく変動する。「病気」・「父の離職、復職」・「非行」・「競技での成功」・「過保護」・「人種的な悩み」・「体重・容貌の悩み」などの要因で、IQが大きく変動するとされている。

特性とIQの相関

アメリカの進化心理学者のジェフリー・ミラーによると、次に挙げる項目と一般知性が正の相関を示すという

  • 脳全体の大きさ(構造MRIで生きている人を計測した際の大きさ)
  • 特定の皮質領域の大きさ(外側・内側の前頭前野や高頭頂葉などのサイズ)
  • 特定の神経化学物質(N-アセチルアスパラギン塩酸など)の脳内濃度
  • 子供の時に大脳皮質が最も分厚くなる年齢
  • 基本的な感覚運動タスクをこなす速さ(例として点灯したボタンを出来るだけ早く押すタスクなど)
  • 神経繊維がインパルスを腕や脚へ伝達する速さ
  • 身長
  • 顔や体の左右対称
  • 身体的な健康と寿命
  • 男性の場合、精液の質(精子の数、濃度、運動性)
  • 心の健康(統合失調症。外傷後ストレスその他の精神機能障害の発症率は、「知性が高いほど」低くなる)
  • 恋愛対象としての魅力(少なくとも長期的な関係の場合)

しかし、欧米の高IQの身体的特徴と、アジア人の高IQの身体的特徴は、遺伝子的に異なる傾向があると考えられる。

東アジア人とIQ

英アルスター大学のリチャード・リン教授が調査を行った。世界130カ国を対象に採取したデータを基に結論づけたもので、東アジアの平均IQは105と欧州人(同100)や他の民族を上回った。

IQについての様々な研究

高IQと有病率

アメリカのピッツァー大学で心理学について研究しているRuth Karpinski氏らの研究グループは、アメリカのメンサ会員3715人を対象としたアンケートを実施し、特定の病気を患っている人の数を調査。アメリカの全国平均と比較しました。

その結果が以下のグラフです。左から気分障害・不安障害・ADHD・ASD・食物アレルギー・環境アレルギー・ぜんそく・自己免疫疾患。黄色が全国平均。茶色がメンサ会員。焦げ茶色が医師による診断と自己診断を合計したメンサ会員の有病率です。どの病気を見ても、全国平均よりメンサ会員の有病率の方が上回っていますが、特に気分障害では全国平均の約2.5倍環境アレルギーでは全国平均のちょうど3倍と顕著な結果となりました。

IQに関連する遺伝子

人の知能に関連する52の遺伝子を発見したとする研究論文が22日、発表された。

今回の研究計画を立案したオランダ・神経ゲノミクス認知研究センターの研究者、ダニエル・ポスツマ氏は「研究では、知能指数(IQ)への相当量の遺伝的影響を検出することに世界で初めて成功した」としながら、「知能の生物学的根拠に関する知見をもたらす成果となった」と続けた。

IQの高さに関連する遺伝子変異の多くは、就学年数が長い、幼児期の頭のサイズが大きい、背が高いといったその他属性との関連がみられた。喫煙習慣を絶つことに成功するといったものもあった。ポスツマ氏は、AFPの取材に「高いIQ値に関連する遺伝子変異は、自閉症スペクトラム障害のリスク上昇にも関連している」と述べ、特に「SHANK3」遺伝子は「この関連性を説明するための非常に有力な候補」と説明した。

IQと音楽嗜好

クラシックなど楽器だけの楽曲

IQ(知能指数)が高い者はクラシックやジャズなどの楽器だけの楽曲(インストゥルメンタル)を特に好んでいることが示されている。

米・オックスフォード大学の研究チームが2019年4月に「Evolutionary Behavioral Sciences」で発表した研究では、調査を通じてIQの高い人ほど楽器演奏曲を好む顕著な傾向にあることを突き止めている。

メタル

ウォーリック大学が2007年に発表した研究結果によると、イギリスの11歳から19歳までの、学業成績がトップ5パーセントを占める学生の間ではメタルが一番人気の高い音楽だったという。

メタルとクラシックの共通点と相違点

「ヘビメタのファンとクラシック音楽のファンには、意外に共通点が多い」。英国のヘリオット・ワット大学のチームが5日、研究報告を発表した。
調査を行った研究者たちは、両タイプの音楽のファンともに創造的で穏やかだが、内向的にもなり得る傾向を発見した。
一方で異なる点としては、クラシック音楽のファンは自尊心が強くヘビメタのファンは自信に欠けているという。

IQと孤独傾向

人類が生存を有利にするために培ってきたサバイバル戦略である「サバンナ理論」が、きわめて知能の高い人物では逆説的に働くことを報告している。基本的に生存に有利なはずである友人知人との頻繁な交流を、人口密度が高い都市に住む高知能の個人は好まない。

EQ(心の知能指数)とは

EQは自己や他者の感情を知覚し、また自分の感情をコントロールする知能を指します。

一般的に、EQが高い人は好奇心旺盛で努力家です。そして、コミュニケーション能力が高く協調性がある、自分の感情をコントロールできるため逆境に強いという、社会や仕事で求められる「生きていく力」が備わっていると言われています。

相手が何をしたら喜ぶのか、何をしたら悲しむのかを理解することに長けていて、行動はもちろん、ちょっとした仕草・表情、一つ一つの言葉選び、タイミングなどありとあらゆる要素を工夫し、状況に合わせた適切なことができます。

相手を尊重できるので、長期的な信頼関係が築けます。

また、EQには子供時代の経験も大きく関わっているとされています。

EQの特徴(4つの技能)

1.自己認識

今の自分の感情に気づき、心から納得できる判断を下す能力

2.自己制御

衝動を自制し、不安や怒りのようなストレスのもとになる感情を制御し、目標の追及に挫折したときでも可能性を捨てず、自分自身を励ます能力

3.社会的認識

他人の気持ちや環境を共感的に感じ取る能力

4.他者との関係の制御

集団の中で調和を保ち、協力し合う人間関係の能力

EQが与える影響

EQは「感情からのメッセージを適切な思考や行動に結びつける能力」です。

明るい雰囲気のもとでは、人は高い能力を発揮します。気分がいいと頭の回転が速くなり、情報の理解力が上がり、考え方も柔軟になります。

一方で楽しくて楽観的な雰囲気ばかりが良いとは限りません。例えば、リーダーが軽い懸念を表せば、それは何かもっと注意を払うべき事柄があるという信号を送ることになり、真剣な雰囲気を作り出すこともできます。事実、楽観的過ぎる雰囲気は危険の見落としにつながる可能性もあります。

慢性的な怒り、不安、無力感といった負の感情は、周囲の雰囲気を大いに混乱させてしまいます。不安や心配が適度なレベルを超えると、「考える知性」だけでなく「感じる知性」も阻害されます。このような悪い雰囲気をまき散らす人物は、チームのためになりません。

このように、いかに自分自身の雰囲気をコントロールし、周囲の雰囲気を方向付けるかは、単に個人的な問題ではなく、チームに関わる重要な要素なのです。

EQが高い人と協調することは、パフォーマンスを大きく高めることにつながります。

EQについての様々な研究

EQと社会的成功

EQ研究のパイオニアであるピータ・サロベイ氏とジョン・メイヤー氏は当時の主流であった「IQの高い人が社会的に成功する」という考え方に疑問を持ち調査を始めました。研究の結果「成功した人は対人能力に優れている」ことが分かりました。

日本のEQと世界の比較

日本人EQ受検者の特徴は、世界基準に比べ「自分は感情に対する知識や自己認識力が弱い」と自己評価をしています。「自分を捉え・問う力」が弱いと自分のキャリアを迷走してしまうことにもなるでしょう。

文学を読むとEQが上がる

より多くの文学小説作家を知っていた参加者ほど、感情認識テストの成績が高いという傾向があります。この因果関係は、心の能力や文学小説の多読に関わる他の因子――学歴、性別、年齢など――の影響を差し引いても、認められました。英国心理学協会のブログ「Research Digest」。

EQを高めるには

◆人は人、自分は自分。人との境界線を適切にひく

◆他責にしないで、自分の責任を認める

◆許しが「人間的な成長」につながることを理解する

◆心を開き、聴く姿勢を意識する

◆相手の良い部分を認める習慣を持つ

◆1日の行動と感情を書き出す

◆自慢したり、嘘をつかない

◆感謝したことを思い出す

◆幸せを感じるモノ/コトに触れる

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