なぜ生き辛さを感じ、悩みを抱えてしまうのか考えてみましょう。
近年話題になったアドラー心理学はご存知でしょうか。
アドラーは人間の持つ悩みの根本的なところは、全て対人関係の悩みに行き着くと考えました。
全ての悩みが対人関係の悩みと言われて納得できない方もおられるでしょう。
しかし、アドラーはお金や病気といった悩みも、「お金がないと、他者に迷惑をかける」とか「病気だと家族に迷惑をかける」という風に考えることで、最終的にはすべての悩みは対人関係の悩みに行きつくと説いています。
個性的な人や少数派の方が感じる違和感や孤独、なぜ自分は人と違うんだろうという深い疑問は、自分と、社会や他人の考え方や行動に大きく隔たりがある事に他なりません。
そこのベースから対人関係の悩みがあるのです。
例えば、身近な者から受け入れられない孤独感がある一方で、刺激に満ち溢れる社会からの疎外感があり そこから対人関係の悩みが派生する という事もあります。
おそらく、このブログを見てくださっている方はこういった思いがあるのではないでしょうか。
1.社会の普通がわからない
2.社会の中で少数派である
3.自分が分からない
4.自分がうまくコントロール出来ず、社会と調和できない
まずはじめに この4つの要因に焦点を当てていきたいと思います。
生き辛さを感じてしまう個性的な人は、社会を自分にあわせるか、自分を社会にあわせるか。ざっくり言ってしまえば取るべき戦略はどちらかになります。
つまり突出した強みを使って社会に受け入れられるか、弱みをかかえ工夫しながら社会に順応していくかです。もちろん、臨機応変に兼ね備えていく事もできます。
その為には、知識が必要です。新しい製品を正しく使う時には、まず説明書を読みますよね。
社会の説明書、少数派の説明書、自分の説明書、自分をうまく使うための説明書。それらをこれから順をおって書いていこうと思います。
そして、それらの根幹には、生物学者ドーキンスの「利己的遺伝子」の考え方がある事を念頭においておくと良いかもしれません。
生物は遺伝子の乗り物に過ぎず、その目的は遺伝子の複製、つまり子孫を残すことにあるという概念です。
それらは人間も例外ではありません。たとえば行動経済学は、私たちの意思決定が認知バイアスと呼ばれる不合理な先入観に満ちていることを明らかにしましたが、これは人間の理性的思考が、より強く遺伝子の利害と結びついている、感情や直感によって容易に捻じ曲げられることを示しています。
私達は遺伝子の目的によって動かされているにすぎず、少数派が淘汰される事なく残され続けているのも、遺伝子の利己的な目的があるのかもしれません。
少数派が存在しているのも、何か必ず意味があると、そんな風に思うのです。