2020年6月21日は夏至で新月で日食が重なった日でした。スピリチュアルでは再生を意味する特別な日、2020年の分岐点にあたり、より流れがダイナミックになっていくとも言われているそうです。
そして、そういう風に言われているのには何か理由があると思うのです。
満月や新月の日は月の引力が大きくなります。
夏至の日は北半球で太陽の南中高度が最も高くなる日です。昼間が最も長く夜が最も短くなり、夏至を過ぎると暑い夏が訪れます。
気象病と同様に、引力・月光・気温・日照時間などには、人の行動や身体、地球に及ぼす影響があるのではないでしょうか。
新月と満月の影響
潮の満ち引きと引力
新月と満月の時には太陽・月・地球がほぼ一直線上に並び、太陽と月の引力と、引力の反対側に生じる遠心力が作用するため、干満の差が大きくなる大潮となる。
月の引力の影響の方が大きく、太陽は月の半分ほど。
実際には海水の慣性,粘性などのため遅れが生じ,新月や満月から1〜2日たったころ大潮となる。
日本地図と引力の強さと地震分布図
赤色の部分は引力の影響が強く作用している。
日本の太平洋側の満潮と干潮の差は約1.5m、日本海側は太平洋側にくらべると小さく40cm。
地震分布図の下の画像と、上の画像の引力負荷の高い地域がおおよそ重なることがわかる。
地震が少なかった熊本県(青丸で囲まれている)で地震が起きたのは、今までと違う地震活動や、活発な地殻変動が起きている時期だとも考えられる。
※熊本県HPより
月の引力と大地震の関係
東日本大震災のような巨大地震は、潮の満ち引きの原因となる月の引力が強く働く時に発生しやすくなるとの研究結果を東京大の井出哲教授らのチームが12日付の英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に発表した。(中略)
2004年のスマトラ沖地震や11年の東日本大震災を含むマグニチュード(M)8.2以上の巨大地震12例のうち9例は、15日間の中で特に力が強い日だった。
M5.5レベルの地震の場合、この力が強い時も弱い時も起きており、明確な関連は見られなかった。
◆余談
地震は惑星の配列や太陽との距離が関連するとの指摘もある。大地震が多いのは1月8月9月11月で、地球が太陽に近づいていく時に起こりやすい傾向がある(2020年の近日点は1月5日)。
今年は惑星が片側に寄る直列配列の為、例年通りではなく、惑星間の電荷バランスが不安定化する。
満月とウシの出産
満月の前から満月にかけての3日間、ウシの出産数が有意に増加し、その変化は初産牛に比べて経産牛で顕著。(夜間照明のない牛舎環境にて)
主に月光によるメラトニン分泌の変化による影響だと仮説立てている。
これまで産科医やウシ農家は「満月の頃に出産数が増える」という実感を持っていたが、科学的に示された報告はなく、むしろヒトでは否定的な報告が多かった。しかし、ヒトは栄養状態や社会環境などによる差が大きいため、研究で有効な結論を得ることはとても難しい。
そこで研究グループは、ヒトより均一なデータの得られやすいウシをモデル動物として研究を行った。(中略)
仮説として月による重力、潮の干満、月光などによる影響などが考えられる。確かに月齢による重力変化は潮の干満のような地球規模の質量のものに関しては影響をもたらすことが知られている。
しかし、月によって変化する重力は地球の重力の30万分の1程度であり、天文学的視野からすれば極めて質量の小さい人やウシがこの重力変化に本当に反応できるかは疑問が残る。
一方、月光を含む光への暴露時間が動物の内分泌に影響を与えることは複数の報告がある。なかでもメラトニンは、満月の時期になると血中濃度が低下すること、メラトニンの分泌は妊娠中に徐々に増加し、分娩時に激しく低下することがそれぞれ報告されている。
満月と犯罪と事故
満月が野外犯罪やオートバイ事故のリスクを増大させる。どちらも屋内ではなく屋外での影響が見られ、照度の強さが関係している。
見やすくなる、気を取られやすくなるといった側面の他、メラトニンとの関連性も推測される。
◆月光と野外犯罪
アメリカの刑事司法誌『American Journal of Criminal Justice』に2017年3月に掲載された論文。
研究者たちは、米国の13州で午後10時~午前2時の間に「屋外」で発生した犯罪に月明かりが及ぼす影響を調べた。その結果、月明かりが強い夜は屋外での犯罪が著しく増加することがわかった。
「月の照度が強くなることは、全犯罪と屋内犯罪にほとんど影響しない一方で、屋外の犯罪活動を有意に増加させる」ことが明らかになったという。
◆満月とオートバイ事故
『British Medical Journal(BMJ)』(2017年12月11日号)に掲載された論文。車ではなくオートバイ事故に限定すると、満月が死亡事故のリスクを増大させることがわかった。
満月がオートバイ事故死の一因となるかを調べる目的で、カナダの研究グループは1975~2014年の40年間に米国で発生した夜間(午後4時~午前8時)のオートバイ死亡事故約1万3000件について解析した。
死亡事故の背景としては、正面衝突、ヘルメット未着用、排気量の大きなストリートバイク、発生場所が地方であること、ライダーに中年男性(平均年齢32歳)が多いといった特徴があった。
死亡事故の発生は、「満月の夜で1夜当たり9.10件」「満月ではない夜で1夜当たり8.64件」
満月でのリスクは1.05倍となるが、その差は偶然ではなく統計学的に有意なものだ。さらにスーパームーンでは、リスクは1.32倍とより高くなった。
研究グループは「人は自然と満月に気が引かれるもので、それがオートバイの衝突事故を招いているのではないか」と仮説を立てている。
血中メラトニン量と明暗サイクルと自律神経の変化
メラトニンとは睡眠を促すホルモン。
昼間の明暗サイクルにより変化することから、内因性リズムを持つ生物時計に24時間の指標を与える働きをしている。
朝の光でメラトニン分泌が抑制、夜間にかけて増加する。
メラトニンが低下すると・・・脳の覚醒中枢が優位。自律神経系においても交感神経系支配が優位。内分泌系機能もそれに適した状態となる。
メラトニンが増加すると・・・脳の睡眠中枢を優位に働かせる。副交感神経を優位に保ち自律神経系を鎮静させる。代謝では同化作用を起こし、免疫系を活性化させる。休止した方がよい各臓器に生体変化を起こさせる。
◆夜の時間帯に強い光を浴びると
メラトニンの産生が減って寝つきが悪くなる。昼夜サイクルを無視した生活をすると体内時計の調子が狂い、体調を損ねる原因となる。
夜間に頻繁に光を浴び続けると、メラトニンの分泌が低下し、免疫力が低下し、がんの発生が増えることが報告されている。
満月の時は月光によりメラトニンが低下し、脳の覚醒中枢や交感神経が優位になるのかもしれませんね。
また、メラトニンは年齢によって減少していきます。免疫力も年齢により低下していきます。
太陽の影響
夏は昼間(太陽光を浴びる時間)が長くなるのでメラトニン分泌が低下する時間も長く、ドーパミンが放出し、冬よりも脳が覚醒していたり、交感神経が優位になっているのではないでしょうか。
またオキシトシン濃度の上昇により恐怖心を薄め、人への接近行動を促します。
気温の上昇とオキシトシン濃度
気温の上昇がオキシトシンというホルモンの濃度を高める。
オキシトシンの主な作用
- 子宮を収縮させて分娩を進行させる作用
- 抗ストレス作用
- 摂食抑制作用
- 社会行動への関与
抗ストレス作用については、例えば、抑制系のニューロンで知られるGABAニューロンを活性化するなどして、恐怖刺激に対する『すくみ行動』を抑制することが、動物実験を通じて明らかにされている。
また、母と子の愛情や、学校や会社など、集団生活の中で人間関係を築いていく社会的行動にも関与しているといわれている。
気温の上昇と早産
気温が高くなると早産が急増する可能性があるとの研究論文が2日、英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジに掲載された。
暑いと、陣痛と分娩(ぶんべん)を調整する主要ホルモンであるオキシトシンの濃度が上昇する。その関係から、暑くなると心臓血管にストレスがかかり、それで早産につながるのかもしれない」とAFPの取材に語った。
分析の結果、気温が32.2度を超えた日に早産率が5%上昇したことが明らかになった。
太陽光と視力とドーパミン
東アジア都市部の子供たちに近視が多い原因は、勉強やコンピューターゲームや遺伝的なものではなく、屋外で日光を浴びる時間が短いためだとした豪研究チームの論文が4日、英医学専門誌ランセット(Lancet)に掲載された。
日光を浴びると脳内化学物質ドーパミンの放出が促される。
このことが、眼球が伸びて目に入った光の焦点が合わなくなることを防ぐと考えられている。(近視は眼球が奥に伸びることが原因で、ドーパミンが眼球の伸びを抑制する)
研究を行ったオーストラリア国立大学(Australian National University)のイアン・モーガン(Ian Morgan)教授はAFPの取材に、「明るい光の刺激によるドーパミンの放出が近視を予防していることは明らかだ」と説明した。
太陽光と紫外線とビタミンD
人体の骨や歯の形成に必要なビタミンDは太陽光を浴び、紫外線がコレステロールを変化させ体内でビタミンDが生成される事で、およそ必要な分のビタミンDの半分の量をまかなっている(残り半分は食べ物から得られている)。
- 子宮内膜症や不妊症の原因となる病気を持つ人はビタミンD濃度が低い
- 運動パフォーマンスが低い人はビタミンD濃度が低い
- ビタミンD濃度が低いとインフルエンザにかかりやすい。サプリを取るとリスクが低くなる可能性がある。摂取を始めると2か月くらいでビタミンD濃度はあがる。冬は太陽光の紫外線量も少なくなるため、冬だけビタミンDを摂るというのも1つの予防。
- 鹿児島は札幌の2倍の紫外線量。北に行くほどビタミンD不足に陥るリスクが高くなる。
- ビタミンD濃度が低いと前立腺癌の発病リスクは高くなり、特に男性更年期前ではさらに高くなる
- ビタミンD濃度が低いと、閉経後の乳がん発病リスクが高まる。
- ビタミンD不足で、認知症になるリスクは2.3倍に、アルツハイマー病のリスクは2.5倍に、脳卒中のリスクは2.0倍に増加する。
- 高緯度に住む浅黒い肌の人は、冬季うつの発病のリスクが高くなる
- 十分な量のビタミンDを日光浴で得るためには、10時から15時の間に、少なくとも週2回、5分から30分、顔、手足、背中への日光浴が必要である。もちろん日焼け止めクリームを使用しないことが前提。
夏の妊娠と自閉症リスク
国立成育医療研究センター研究所の研究によると,自閉症の環境要因と考えられたのは、
1妊娠初期の喫煙,2水銀,3有機リン酸系 農薬,4ビタミン等の栄養素,5親の高齢,6妊娠週数,7出産時の状況(帝王切開等),8夏の妊娠,9生殖補助医療に よる妊娠,
一方,関連がないと考えられる環境要因は1妊娠中のアルコール,2 PCB,3鉛,4多環芳香族, 5社会経済的地位,6ワクチン,7低出生体重,であった.これらは再現性のあるものもあればないものもあり,さらなる 研究が必要である。
※人は誰もが「女性型身体」を持ち、2ヵ月ごろまでに性別の決定に関わる性染色体の「XY」を持った胎児は、Y染色体上にあるSRY遺伝子の働きで作られた精巣からテストステロンが大量に分泌され(アンドロゲンシャワー)「男性化」します。
具体的には、陰茎や陰嚢の発育、脳の性差形成、顔形や骨格の成長を促し、このとき浴びたアンドロゲンシャワーが多いほどより男らしく、テストステロンレベルが高いとされています。
究極の男性脳と呼ばれるASD児の胎児期の子宮内の男性ホルモン濃度と女性ホルモン濃度は、一般より高い事が分かっています。
気温とIQ
ラスキン公共政策大学院の研究者の研究で、2001年から13年間、1000万人のアメリカ人学生に行われた。
その結果、気温が高い年の試験結果が悪くなる傾向がみられた。とくに空調の恩恵を受けられない貧困家庭などに大きな影響がみられた。
気温と死亡率
国立環境研究所の研究によると、寒い日と暑い日とでどの程度死亡しやすさが異なるかを調べた。暑さ寒さの影響も高齢ほど大きくなることがわかった。
65歳以上の様子をみると,寒い日の死亡率の高さが目につくが,33℃以上でもやや高い死亡率を示している。また、寒い地方の人の方が暑さに弱いとみられる
このように,地方による違いはあるけれども,気温と死亡率の関係はV字型のパターンを示すことにかわりはない。
8月の日本の平均気温の変化
夏に祭りがあるのも、活動的になるのも、冒険したくなるのも、人に会いたくなるのも、ホルモンのせいかもしれません。
夏至からダイナミックになっていくとスピリチュアルで言われていることにも、根拠があるのですね。
また、夏の高すぎる気温は脳の記憶力の低下をまねき、高齢者の死亡率を上昇させます。
ストレスがかかるということでしょう。自閉症の環境リスクにもなっています。
夜の繁華街でのコロナウイルスの感染率の高さも、もしかしたらメラトニンやドーパミンなどのホルモンや交感神経の優位性が免疫に関係があるのでしょう。
そして、近年の著しい環境変化は、知らないうちに、私たちの行動にもなんらかの変化をもたらしていることは間違いありません。