7つの習慣
続いて紹介する本は7つの習慣です。
個人を「依存」状態から「自立」へ、「自立」から「相互依存」状態へと導く7つの習慣的な行動の必要性を説いています。
アドラー心理学の二本柱でもある、自立についてを前半の習慣で。調和についてを後半の習慣で説明しています。共通する部分が多いですが、こちらの方がより実践的・現実的な切り口かと思います。
全世界で3000万部以上売れた大ベストセラー。世界共通の成功哲学書ですので、日本のみならず世界で通用する考え方なのでしょう。
まずはこの本での大前提である考え方を3つ紹介します。
1・インサイドアウト(内から外へ)
最初に自分の内面を変化させる→それから自分の外側に影響を与える
つまり、自分から変わることで廻りの状況が変わっていくアプローチ方法。
著者の言葉に「問題は自分の外にあると考えるならば、その考えこそが問題である」という言葉がある。その考えがある限り真の自立は有りえない。
2・原則中心のパラダイム(見方)
公平さ・誠実・正直・人間の尊厳・奉仕・貢献・可能性・忍耐・犠牲・勇気・秩序
などの、人間の普遍的な良心。これらは永続的な価値を持っており、人間の行動に正しい方向性を与えてくれるガイドラインとなる。
3・P/PCバランス(目標達成と目標達成能力のバランス)
効果性の本質。人生すべての側面で実証されるもの。
短期と長期のバランスを取ること。例えば、目標達成のために昼夜働き、さらに多くの報酬を得ようとしたものの病気になり疲れ果てて全く仕事ができなくなった。となるとバランスが良くない。
例えば、顧客満足を願うならば、一番大事な顧客に接するのと同じ様に従業員にも接しなさい。と言うこと。家族、恋人、人間関係においても作用する。
第1の習慣 主体性を発揮する
人は誰でも自分の反応を選択する能力を発揮できる。
例えば、人の発言で不機嫌になることも、感謝することも自分で選択している。
嫌々会社に行く事も、楽しんで会社に行く事も自身の選択である。
この自らの反応の仕方をコントロールして、周りの状況に左右される事なく、率先的に状況を改善する行動を起こす事を習慣にしていく必要がある。
そのためには、感情や気持ちや環境に支配されず、自分の価値観に基づき行動する。自分の人生の責任を引き受ける覚悟をもつことが重要。
主体性を高めるもう一つの方法は、時間やエネルギーを集中させているところを観察すること。自らが直接コントロールでき、影響を与えられる事柄に積極的に働きかける。
他人の欠点や周りの環境、自分のコントロールの及ばない状況に集中すると依存性を高めてしまうことになる。
また、自分 家族 友人 所属するコミュニティー 地域というように最も内側から大切にしていく(インサイド・アウト)
すぐに生活の主導権を取り戻す方法・・・約束をしそれを守ること。目標を設定し、それを達成するために働くこと。誠実さや自制心の育成、自尊心が高められる。
周囲の世界から知らず知らずのうちに受けている影響を自ら切り離してやることで、自分本来の気持ちや、やりたいことがはっきりする。
第2の習慣 目的を持って始める
自分の葬儀を思い浮かべよう。4人の人が弔辞を述べることになっている。両親 兄弟 子供 いとこなどの内から1人。友人の1人であなたの人柄を知ってる人。仕事関係の人から1人。コニュニティー、自治会、奉仕活動を行ってきたところから1人。ここで深く考えてみてほしい。集まってくれた人たちから、あなたの人生について、何といってほしいだろうか。彼らの言葉を持って、あなたのどういう人格が述べられていたのだろうか。彼らの人生にあなたはどういう影響を及ぼしたかったのだろうか。
この問いから、あなたの「基礎的な価値観」と「内的な方向付け」が明確になった筈だ、それはあなたの中心となり人生を根本的に変えることになる。
目的を持って始めるということは、目的地をはっきりさせてから旅立つことである。目的がはっきりしているからこそ、計画や効率的な学習ができるのである。
今までの自分の見方を変えるには、自覚 想像力 良心のちからを用い、自己リーダーシップを発揮すること。それにより人生の新しい脚本は書き換えることができる。
目的を持って始める最も簡単で大きな効果をもたらす方法の1つはミッション・ステートメント(個人的な憲法、または信条)を書くことである。
原則を生活の中心に置くことによって全ての事柄がバランスよく見える様になる。それは自分の安定性・方向性・知恵・力の根源になる。
安定性・・・自己価値 精神的基礎 自尊心 個人の力
方向性・・・意思決定 判断
知恵・・・バランス感覚 原則への理解 判断力 洞察力
力・・・行動力 実行力 今より優れた習慣を身につける力
この4つの要素のバランスを取ることによって、気高く美しく調和のとれた人格が形成される。
つまり自分の生活を安定させるものである。
第3の習慣 重要事項を優先する
第2領域を重視する
緊急度は低いが、重要度が高い第2領域に時間を投資していく。緊急ではない分より高い率先力と主体性が必要である。
人間関係づくり、ミッションステートメントを書くこと、長期的な計画、運動、予防保全、準備、を常日頃行うことにより、生活の質や仕事の業績の効果性が劇的に向上することになるだろう。
第2領域の活動を行うためには、第3領域や第4領域からしか時間が取れない。一見需要に見える緊急な活動に「ノー」と言わなければならない。
人に任せることができそうな仕事や責任をリストアップし、任せる相手も探してみる。活動は週単位の計画こそ生活のバランスがとりやすくなる。
第1から3の習慣を経ると自立という土台が作られる。
第2の習慣で、中でも軸にしてほしいのは誠実さ(思いやり)と正直さ(自分らしく・嘘はつかない)でしょう。
他人を好きになるには、まず自分自身のことを好きでなければなりません。自尊心は真の自立からくるものです。他人と関わり困難が訪れた時、自尊心としっかりとした土台が必要なのです。