離婚しやすい人にはどの様な特徴があるのでしょうか。パートナーより世間体を気にしていたら要注意。もしかしたらこの遺伝子が関わっているのかも知れません。
アルギニン バソプレッシン
今や3組に1組が離婚すると言われています。平成29年度のデータを見ますと、
婚姻届・・・60万6863件 離婚届・・・21万2262件
となっており、約1/3となっています。
エレイン・アーロン氏の著作によると、HSPやHSSは離婚をしやすいと言われています。もしかしたら、アルギニン バソプレッシン遺伝子多型が関与しているかもしれません。
また、HSPは愛着傾向があり、オキシトシンとも関与していると思われます
アルギニン バソプレッシンの作用
アルギニン バソプレッシンは、男性ホルモンによって増強されます。脳下垂体後葉から分泌され、オキシトシンに比べてわずか1、2個のアミノ酸が入れ替わったものですが、その作用は全く異なります。オキシトシンとは相同性も高く、受容体間で42〜55%の相同性を有します。
バソプレッシンは血圧をあげる他、抗利尿作用、子宮筋の収縮を抑制したりします。
愛するパートナーや大切な子供を守るために「攻撃性・行動力を高める」という作用もあります。「守りたい」という気持ちを強く持っている方は、分泌が多いのかも知れません。
バソプレッシンはパートナーと性的関係を持っている時に多く分泌されるそうで、満足感や多幸感を覚えるそうです。
離婚遺伝子 不倫遺伝子
アルギニン・バソプレッシン・レセプター(AVPR)というホルモンの受容体を調べることで、長期的関係がうまくいくか、ある程度まで分かる様です。
受容体はV1a・V1b・V2の3つのサブタイプに分類されます。この1aの塩基配列の差によって、「貞淑型」か「独身・離婚・不倫型」に分かれるのです。その出現割合は、5:5の半数だそうです。
AVPR1aの遺伝子多型を持っていると、男女ともに長期的な人間関係を結ぶのが難しく、パートナーに対して不満度を高め、不親切な振る舞いをすることが分かっています。
多型を持つと、アルギニン・バソプレッシンのシグナルが入りにくくなり、親切心などが生まれにくくなると考えられています。男性では、人との約束を恐怖に感じる心理と関係していることが明らかになっています。
AVPR1aの「アリル334」を2つ持つ男性は、1つor持たない男性に比べて、1年以内に離婚の危機に陥る確率が5%ほど高くなるそうです。
結婚生活や共同生活にあまり向いているタイプではなく、実際にこのタイプを持つ男性では独身率や、離婚率が高くなります。
女性の場合には、離婚よりもパートナー以外の男性との関係が増えるため不倫遺伝子などと呼ばれます。また、不満度を高めやすい傾向にあります。
また、ドーパミンD4受容体の繰り返し配列を多く持つ人が、浮気をしやすい事と関連があるかも知れません。好奇心旺盛で怖いもの知らずの人ほど繰り返し配列が多くなります。左が配列が多い人・右が少ない人
特徴
◆見栄や世間体を大事にしている
◆パートナーや家族の悪口を言う
◆話し合って解決しようとしない
◆相手を見下した態度をとる
◆思いやりがなく、信頼関係が築けない
◆束縛や支配が強い
◆家族やパートナーに関心がない
◆助け合えない
◆一緒の時間を共有しない
◆お金の使い方が派手
◆浮気をする
ただし、高確率で離婚するわけでなく、多型を持っていたとしても自己コントロールを高めたり、相手を尊重し理解しようとする気持ちを持つなどで、うまくいっているカップルも多く存在します。
年齢と共にホルモンバランスも変化していきますので特に男性は、年齢を重ねるほど絆が増し、落ち着いてくると考えられます。
社会的行動や不安感情にも
V1aは社会的行動に重要であることが示唆されており、対人関係やコミュニケーションの障害を特徴とするASDなども関係していることが報告されています。回避性と関連性があると思われます。
また、セロトニン・トランスポーターがバソプレッシンの放出を促進し相互作用があります。多型だとうつ病や、PTSD、パニック障害などの不安障害にも関係することが報告されています。
他に、多型は記憶や食事、音楽的記憶、創造的なダンスとも関係していると言われています。もちろん、この多型だけではなく、その他の遺伝子要因も複雑に絡み合っています。
この変異は、恐怖や快感、信頼や好き嫌いに関係するととされる脳の扁桃体の働きに影響するという研究もあるそうです。
これらの遺伝子配列に、幼少期の親子関係・養育環境が加わる事で、アルギニン・バソプレッシン受容体の数と感受性(感度の良さ)が決められていきます。感受性がよければ活性化する配列でなくとも良好な関係を築きやすくなります。