HSP HSP/HSSとギフテッド ロンブローゾの研究から比較して考えてみる②

前回の続きです。

今回は、イタリアの精神科医で、犯罪人類学の創始者であるチェーザレ・ロンブローゾの研究とギフテッドを比較してみましょう。

ロンブローゾの天才論

ロンブローゾが定義する天才とは【高い才能を持つものが、著しい不安定さと過敏性、精神病、神経症、精神病質への抵抗薄弱を抱えた時にはじめて発現する】という、現代のギフテット論にかなり近いものがあります。

犯罪人類学研究をしていたロンブローゾは、天才と狂気の連続性に注目しました。精神病者、犯罪者、天才の3種類の逸脱者を比較研究したのです。

精神病者と犯罪者の連続性を研究したのが、犯罪人類学の研究で、精神病者と天才の連続性に注目したのがロンブローゾの天才論でした。

注目した特徴

ロンブローゾは、精神疾患が飲酒、精神病、気候の変動などで進行していくことに気づきました。そのような人は以下のような特徴を持つ事が多いと記しています。

  1. 情感の欠乏
  2. 道徳的観念の亡失
  3. 本能性もしくは懐疑の傾向
  4. 記憶、美的趣味の能力の過大な発達
  5. ある性質の欠乏に起因する精神上の不均衡
  6. 過度の沈黙もしくは多言
  7. 病的虚栄心
  8. 過度な独創性
  9. 自己に対する過大な注意
  10. 単純な事柄に対して神秘的解釈を加えようとする傾向
  11. 象徴及び特別な言葉の濫用

この太字の3.4.5.8.11はギフテッドの特徴と共通しています。

飲酒で性ホルモンが変わることについての記事はこちら

天候の変化で具合が悪くなる人についての記事はこちら

そして、ロンブローゾが天才とみなし、上記の特徴がはっきり見られた人の身体的特性と、道徳的特性をあげていきます。

【身体的特性】
  1. 背丈が低く小さい
  2. 容姿の蒼白
  3. 若白髪、はげ、痩身、筋肉活動の弱さ
  4. クレチン病者のような人相
  5. 頭部および脳の損害
  6. 吃音
  7. 左利き
  8. 結婚をしない もしくは子供がいない傾向
  9. 親に似ていない
【道徳的特性】
  1. 早熟
  2. 晩熟
  3. 新奇なものを憎む傾向
  4. 放浪性
  5. 創造性
  6. 夢遊病
  7. 霊感
  8. 愚鈍
  9. 感覚過敏
  10. 感覚脱失
  11. 健忘症
  12. 独創性
  13. 特別な言葉の傾向

特性の1つ 若白髪についての記事はこちら

特性の1つ 左利きについての記事はこちら

創造性と奇抜さのモデル

日経新聞 天才と変人の関係 脳の「フィルター装置」が独創性を左右? という記事によりますと、

創造性に富む人たちは一方で、社会生活上で必要なことをおざなりにして、自分の世界に没入する傾向がある。これは認知的フィルターの働きが弱いため、意識が様々な刺激で過密になり、そちらに関心が向かってしまっていると説明できる。こうした傾向は脳画像や脳波測定の実験によっても裏付けられている。(中略)彼らがとっぴな考えをしたり、幻覚を見たりすることとの関係が想定できる。

最新の研究でもロンブローゾが注目した特徴にもある、脆弱性因子との関連性を示しています。創造的な天才とは精神疾患とのはざまであり、言わば普通の人の崖の淵に立っているような人々なのでしょう。そして、この脆弱性はギフテッドのOE(過度激動)に起因するものだと考えられます。

日本人に多いセロトニントランスポーター遺伝子変異

日本人は遺伝子変異であるSS型の割合が世界で一番多いと言われています。(SS型はセロトニンの取り込み量が少なく、不安傾向があり慎重になりやすい。LL型は逆に楽観的になりやすい)

つまり、世界一不安になりやすく、慎重な民族です。アメリカと比べるとその差は歴然です。

  • 日本    SS型65% SL型32% LL型3
  • アメリカ  SS型18% SL型50% LL型32

詳しくは過去のセロトニン記事から

日本とは逆で世界一幸福に感じやすい民族についての記事はこちら

日本の国民で一生の間にうつ病、不安症など何らかの精神疾患にかかる人の割合は2007年の資料で18%と報告されています。「5人に1人」は一生にうちに何らかの精神疾患を経験するということです。

これは先進国では少ない方で、3割を超える国も少なくありません。ただ、この中には統合失調症などの精神病性疾患や認知症は含まれていません。統合失調症の発生率は100人に1人と言われています。

平成25年、世界でのうつ病患者比率を人口比率で確認すると、日本、中国が揃って約4%。世界的にみて人口比率が高かったのは、ウクライナ・エストニア・アメリカ・ブラジル・オーストラリア・ギリシャ・ポルトガルなどで、いずれも人口比6%前後でした。比率的にアメリカなどの方がうつ病発症率が高いのです。

SS型を持つ割合から考えるとこの比率は驚きです。アメリカではLL型が多く、SS型は少ないのです。

日本のうつ病患者比率が約4%にとどまっている結果に対し、国内の専門家からは、精神疾患を隠し、つい我慢してしまう国民性や社会性も関係しているのではないかとの見解が示されています。

我慢強さは神経系統や感覚器官の発達により、セロトニン感受性の強さが影響していると考えられ、取り込み量は少なくともブレーキ効果が高いのかも知れません。

そして、我慢強さもそうですが、図の創造性と奇抜さのモデルにある、ワーキングメモリの容量が大きいことと、高いIQが国民性としてあり、脆弱性をコントロールする事ができるのではないでしょうか。この2つの要素にはホルモンが関係していると思われます。

創造性とは右脳と左脳の相互作用によって行われるものであり、これらは両極性を持つHSPHSP/HSSの人とも共通します。

職人気質である日本人は、世界的に見て創造性を発揮しやすい特徴を持ち合わせているのではないでしょうか。世界的に有名な天才やギフテッドなどはかなり極端な事例ですが、創造性は天才に限らず自分をコントロール(自己統御)できれば発揮する事ができるとわかっています。

そのためには自分の説明書を知り、主体的に自分自身を操縦していきましょう。そしてあなた独自の創造性を輝かせていきましょう。自分を詳しく知るために、ぜひ他の記事も参考にしてみてください。

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