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東アジアと欧州と日本 日本がガラパゴス化なのはなぜ? 教育から考察してみる

日本社会のガラパゴス化が指摘されていますが、先進国の国々とどういった違いがあるのか、教育方面などから考察していきたいとおもます。

中国 韓国 東アジアの教育の特徴

教育に大きく比重が置かれています。

良い大学を卒業し、良い企業に就職し、良い暮らしをすることを多くの人が目指します。

親子二人三脚で熱を入れる家庭も多く見られ、幼稚園〜高校生までの期間を『良い大学に合格するための準備期間』とし、小さな頃から必死に勉強や習い事に精を出す、知識詰め込み型の教育です。

テストの成績で人生が大きく左右されるため、子どもたちが学校や塾で受ける教育はテストの点数を上げることばかりが強調されます。

子どもはテストの点数によって評価され、テストの結果をもとにキャリアを設計していくことになります。

数学のテストの点数が良ければ理系コースを進むことになりますし、他の分野でも同様に、高得点者はその分野に進路を進めることになります。

有力大学を頂点とした教育システムには過度の受験競争などの弊害もあります。

韓国では、受験のストレスが原因で自殺を図る受験生も少なくありません。

中国は、驚異的な速さでアメリカに次ぐ経済大国となり、近い将来、アメリカに肉薄するであろう中国の勢いの源泉が教育基盤にあることが分かります。

北京大学、清華大学は既に世界で日本の大学をしのぐ評価を得る地位を獲得し、両校に次ぐレベルの学校がいくつも控えています。

中・韓でいう多くの優秀な人は「徹底した努力で積み上げられた合理的な秀才」というイメージです。

欧米の教育の特徴

欧米の教育は「個々の才能を伸ばす」ことを重視する傾向があります。

子ども達を集団として型にはめるのではなく、自己主張ができるように、常に自主性を重んじるように教育しています。

知識詰め込み型ではなく、考えることや体験を増やすことを重視し、伸び伸びと褒めて育てます。

授業では、アジア教育のような他人と比較するようなテストは行わず、自分のために勉強しているという意識を持たせます。

宿題はありますが、調べたり、考えたりするものの傾向が高く、子どもにしっかり考えさせるため、親は必要以上に干渉しません。

成績が優秀であれば、飛び級したり、特別支援教育を受けることも可能になります。

欧米は、ノーベル賞の受賞者が多く見られます。既存のシステムに捉われることのない自由な発想力が教育から培われているのでしょう。

欧米でいう優秀な人は「自主性や自由な発想力を持った合理的な天才」というイメージです。

日本の教育

日本の教育は東アジアに見られる学歴・競争社会で早期教育も進んでいますが、中韓ほど激しくありません。

国の方針として、一時期はゆとり教育が行われていたくらいです。

現代の日本では、ゆとり教育の見直しをしながらも、個性を重視する一風変わった校風の学校も登場しています。

大学入試も今までになかった思考力を問う記述式のテストや、AO入試や推薦入試などを導入し重視していくといった傾向が見られています。

一体なぜ、日本は同じ東アジアとは違う独自の方向に進んでいるのでしょうか。

日本のガラパゴス化

日本のガラパゴス化にいたる2つの方向性

  1. 日本人の厳しい要求を、技術側が答えることにより独自に発展を繰り返した。過剰ともいえる機能を搭載しており、こうした機能を実現するだけの高い技術力を持っている。
  2. 相手との闘争を嫌い、争いを回避しようとする国民性である。

ちなみに、ガラパゴス諸島に生き残っている動物はすべて草食動物です。肉食動物がいれば共食いがくり返され、絶滅の危機に瀕することになります。 共倒れを避けるために草食動物のみが生き残り、島の環境に適した種を進化させてきたというわけです。

キャッシュレス化から見る中韓との違い

日本に比べ圧倒的に中韓のキャッシュレス化の比率が高いのがわかります。また、国という大きな組織初動スピードが、欧米に比べても速いのがわかります。

裏を返せば、国決定に個人は素直に従うといった側面があります。ついて行けない人は切り捨てるということでしょう。

経産相が発表したキャッシュレス・ビジョンより

アジアの中でも違う日本人の気質

日本人の遺伝子のルーツは周辺の国と少し違います。

日本人は東アジアの中でも、両極端な人、両極性を持つ人が混在するといったイメージです。

日本の様々な統計から見てみると、毎日規則正しく積み上げていくのは関東から東北の地域で、感情や意欲が強いのは西の地域な傾向があります。

日本地図から見る県民性の違いの記事

日本は、東アジアのような教育に適性がある人もいれば、欧米のような教育に適性がある人もいて、どちらの教育にもあわない人がいるといった多種多様さがある珍しい国なのかもしれません。

日本の新しい教育の形とは

個人の特性を伸ばすことを目的とする『異才発掘プロジェクトROCKET』が2014年から始まりました。東京大学先端科学技術研究センターと日本財団の共同プロジェクトです。

異才発掘プロジェクトの記事

HPにはこのような一文があります。

ここで選抜された子ども達が異才であると我々が評価しているわけでもありませんし、彼らを万能な天才に育てるプロジェクトでもありません。 また、いまの学校教育を否定し対抗するプロジェクトでもありません

残念ながら、ユニークさ故にそこに馴染めない子ども達が学校にいなければならない事で不適応を起こす現状に疑問を感じています。

彼らには彼らの新しい学びの場所と自由な学びのスタイルが必要です。

それは決していまの学校教育システムと矛盾するものではありません。むしろ両輪(両者が補い合って十分なはたらきをする)であるべきだと考えています。

ゲノム解析が進んだ現代で、東京大学先端科学技術研究センターが主導となって始めたこのプロジェクトの両輪という考え方は、現段階でできる最も個人や国の力を伸ばす方法なのではないでしょうか。

多種多様な個性が混在する日本では、一律な学校のシステムに合う子も合わない子もいます。

日本には現代の学校システムを変えるスピードも遅く、またすべての人の要求に合わせることはできません。

しかし、あまり変わらない国のシステムの安定感は、安心して個人がそれぞれの特性を伸ばし羽ばたけるのではないでしょうか。安心して帰る場所があるから、冒険できるのです。

システムが変わるのを待っていてはもったいないです。うまく利用し、個人で自分にあったものを選択していくのが、これからのやり方なのでしょう。情報や、選択肢は増えています。

アジアと欧米のいいとこ取りをしていきたいですね。

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