健康 若さ 美しさ、いくつになってもあれば嬉しいですよね。女優さんや、モデルさんなど、何故いくつになっても若々しくいられるのでしょうか。ずっと健康でいられる人は何が違うのでしょうか。その秘密を調べてみました。
エストロゲンの作用
女性の若さや健康は、エストロゲン(女性ホルモン)によって維持されている面が非常に大きいそうです。
エストロゲンは美人ホルモンとも呼ばれ、丸みをおびた女性らしい体を作ったり、艶々で張りのあるお肌を作ったりします。健康にも大きく影響しており、善玉コレステロールを増やしてくれたり、物忘れを予防したり、心疾患や骨粗鬆症から守ってくれます。
男性はテストステロン(男性ホルモン)からエストロゲンが作られています。
減少する時期
エストロゲンは加齢により減少していきます。
女性は40歳を過ぎた頃から卵巣機能が徐々に衰え、50代頃には急激に分泌量が低下し、いわゆる閉経がおこります。更年期障害は、エストロゲンの低下が主な原因とされています。
癌発症率は50歳前は女性が多く50歳以降は男性が多いです(エストロゲンが細胞増殖に関わるため)
男性はテストステロン減少(勃起低下)に伴い、エストロゲンも減少すると、性欲の減退が現れるそうです。
女性ホルモン産生酵素 アロマターゼ
テストステロンをエストロゲンに変換させるアロマターゼという酵素があります。
女性の場合、加齢によるエストロゲンの低下で、補償的に末梢脂肪組織等のアロマターゼを発現亢進させます。
副腎で作られる男性ホルモンを材料にして、エストロゲンを作り出します。
いくつになっても若く見える人は、このアロマターゼの働きでエストロゲンが増加する事によるものだと思われます。
しかし、エストロゲンは諸刃の剣でもあり、アロマターゼの働きが機能しなくても、過剰すぎても問題が起きてしまいます。
アロマターゼが機能しないと・・
エストロゲンの補充が充分に効かず、骨粗鬆症、動脈硬化症、アルツハイマーなどの危険性が増加し、更年期障害が辛い可能性があります。
エストロゲンの補充療法、漢方やサプリメントで緩和されるそうです。
機能し過ぎてエストロゲン過剰になってしまうと・・
乳がん、子宮内膜がんなどのエストロゲン依存性がんの危険性が増加してしまいます。
これらには、エストロゲンの長期的な刺激が関連していると考えられています。なりやすい人の共通点は、閉経が遅い、出産授乳経験がない、若い時から月経不純がある、肥満などです。
ストレスとアロマターゼ
ストレス負荷 ⇒ 表皮の「アロマターゼ」低下⇒ 男性ホルモン過多 ⇒ 過剰な皮脂分泌 ⇒ ニキビ発症(皮膚疾患、炎症などが起こる)
ストレスの作用について→コルチゾール の記事
ビールとアロマターゼ
ビールの原料であるホップから抽出した「ホップエキス」に「アロマターゼ」活性化作用があることが分かりました。
つまり、ビールを飲むと男性ホルモンが女性ホルモンに変換する「アロマターゼ 」が活性化し、男性ホルモンが減少、女性ホルモンが多くなるという事です。
しかし注意も必要です→お酒の記事
おまけ 脳内アロマターゼ量は性格や気質に関係する
理化学研究所による研究によりますと、脳内で発現するアロマターゼの発現量がヒトの性格の個人差に関連することを、陽電子放射能断面画像法による脳画像解析で明らかにしたそうです。
女性においては、扁桃体におけるアロマターゼ量が多いほど攻撃性が高く、
男性・女性共に視床におけるアロマターゼ量が多いほど協調性が低い事が示されたそうです。
筑波大学の研究によりますと、思春期に脳の男性化を促進化する仕組み(攻撃行動や性行動の発現)は、扁桃体でのエストラジオールを介したテストステロン作用が不可欠とのことでした。
つまり女性で元々のテストステロン量が多いと、それにより扁桃体のアロマターゼが活性化し、攻撃性が高くなるという事です。いくつになっても若々しい人には、気が強い女性(特に思春期)が多いということでしょうか。
芸能界に飛び込む女性や、生き残っていける女性はメンタルが強かったり、気が強くないと難しいですよね。
脳内のアロマターゼ量は、性差の決定にも関連しているという説もあります。
発現時期として、胎生期では男女共にかなり多く存在し、性差はほとんどみられない。しかし成長後は、男性で胎児期同様かなり発現しているが、女性ではむしろ成長するに伴い発現の減少が観察され、男性優位の性差が観察された。
アンドロゲン(男性ホルモン)によりアロマターゼの発現が促進されることが明らかにされており、血液中のアンドロゲン濃度が上昇すると、脳ではアロマターゼが多くなる、つまりエストロゲンの濃度が上昇することになる。
このようにエストロゲンは、アロマターゼの働きにより生体内の多数の組織において、必要な時だけ局所的に作用する多機能ホルモンとして捉えられるべきであろうつまり、アンドロゲンの増加は受容体の増加を、エストロゲンの増加は受容体の減少を誘導する。となると、アロマターゼによりエストロゲンが増加すると、エストロゲン受容体は減少することになる。
胎 生 期 | 雄(男) | 性差 | 雌(女) |
アロマテース活性 | 多 | ≧ | 多 |
アンドロゲン受容体 | 少 | = | 少 |
エストロゲン受容体 | 多 | = | 多 |
成 長 後 | 雄(男) | 性差 | 雌(女) |
アロマテース活性 | 多 | > | 少 |
アンドロゲン受容体 | 多 | > | 少 |
エストロゲン受容体 | 多 (胎生期と同程度) |
< | 多 (胎生期より増加) |
別の研究によりますと、遺伝性アロマターゼ欠損症によりアロマターゼが活性化しない女児を妊娠した母親は、妊娠中期から声の低下、肝障害、色素沈着など男性化症状が出現し、出産した女児は男児様の外陰をしめしており、女性仮性半陰陽と診断されたそうです。
機能しなくても男性化してしまい、過剰でも男性化するのではないでしょうか。
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